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2020.09.01

ハシビロコウ「ビル」はメスだった。

伊豆シャボテン動物公園50年目の新事実

「ビルじいさん」は、実はメスだった!

“動かない鳥”で一躍有名になった世界最高齢で大往生のハシビロコウ「ビル」

 

2020年8月6日(木)に老衰で死亡したハシビロコウの「ビル」に関しまして、性別がメスであったことが判明しました。

人間とともに歩んでおよそ50年、その死後に判明した新事実です。

 

「ビル」は推定年齢50歳以上(人間の年齢に換算すると100歳以上と考えられる)、世界でも類をみない長寿なハシビロコウで、長きにわたり「長老」「ビルじいさん」として親しまれてきました。死後に行われた解剖の結果、性別はメスであると確定いたしました。

 

 

1981年4月、メス「シュー」と番(つがい)のオスとして来園した「ビル」。「シュー」には先立たれてしまいましたが、それから長い間「バードパラダイス」内でのんびりと暮らしてきました。ハシビロコウは、オスの方がメスよりも平均して大きいという以外に外見上雌雄の差がありません。PCR法などの遺伝子検査で性別の判定を得るためには、自由に暮らす「ビル」を捕獲・保定して採血や組織の採取を行わなければなりません。当園では、既に年齢を重ねていた「ビル」に負担をかけないこと、長年にわたり培われてきた人間との信頼関係を崩さないことなどを鑑み、捕獲を実施しませんでした。そしてこのたび、約50年目にしてあらためて「ビル」の性別が確定した次第です。

 

『ハシビロコウ「ビル」によせて』
誰もが一目置くような威厳のある存在でした。
日本に来てから49年。今まで関わった多くの飼育職員や、ビルに会いにご来園下さったお客様、誰もがビルの事が好きでした。
ハシビロコウという鳥の存在が広く世間に知れ渡るようになったのはビルの存在があったからだと思います。
現役の職員よりも、ずーと昔からバードパラダイスの中で園の様子を見てきたビル。何があろうとも変わらずに自分のペースで動き、堂々としたその佇まいから、ビルは私たちの心に「何をそんなに急いでいるのだ」と語りかけているかのように感じました。バードパラダイスの中でどれほどのお客様と出会ってきたでしょうか。ビルはお客様に対して非常に寛容で動じず、同じ空間の中で間近に対面したお客様の方が、その姿に驚きと近寄り難い存在感を感じたかも知れません。ビルは同居していた多くの鳥たちに対しても同様のスタンスであり、ほかの鳥と揉めることは皆無でした。鳥たちの中でも長老のビルには一目置く、という存在であったと感じています。
今、ビルのいないバードパラダイスの中を見渡してみると大きな寂しさを覚えますが、同時に大往生であったとも感じます。また、今まで多くの方々に愛され、長きにわたり驚くべき長寿を重ねていく姿に私たち飼育職員の一つの心の支えのような存在であったと信じてやみません。
ビル、今までありがとう。あなたの姿はしっかり私達の心に刻まれていますよ。静かに眠ってください。本当にありがとう。
令和2年8月6日
伊豆シャボテン動物公園園長 中村 智昭

ハシビロコウ「ビル」の献花台

ハシビロコウ「ビル」の献花台

 

【ハシビロコウ「ビル」】
1971年スーダンのハルツーム動物園より来日、1981年4月28日一般財団法人進化生物学研究所より伊豆シャボテン公園(当時)へ来園しました。来園後は、今日まで広いバードパラダイス内と自室とを自由に行き来できる環境で生活をしていました。
ハシビロコウの寿命は正確には解明されていませんが、コウノトリ科の鳥では平均35年といわれており、このことから「ビル」が記録的に長寿だったことが分かります。人間の年齢に換算すると100歳以上と推定されます。

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