サボテンブログ
2016.12.05
サボテン、そして多肉植物を愛する皆さん!
大変長らくお待たせいたしました!(少し緊張しています。)
伊豆シャボテン動物公園 第3回 おもしろサボテン品評会 結果を発表いたします。
パ~ッパラパッパッパッパ♪ パ~ッパラパッパッパッパ パ~~♪
普段人に見せる機会のなかなかない(小さすぎる、寒さに弱いので常設展示できない等)当公園 秘蔵のサボテン・多肉植物達を植物スタッフが入念に選び出し、これを特別展示して、一番ご来園者の皆様に心に残った植物を、投票で選び出そうというこの企画!
早いもので今年で、3回目を迎えることとなりました。
今年もたくさんのご投票を皆様から頂き、感謝の気持ちが絶えません。
それでは早速、今回のご投票の中から1位に選ばれたものを発表いたしまししょう!
1位に選ばれたのは
エントリーナンバー12番、「飛燕雲(ヒエンウン)Merocactus conoideus」231票
このサボテンでした~! パ~ッパラパッパッパッパ パ~~♪
圧倒的な人気で他の植物達に大差をつけての第1位 ! 中でも「頭の上の赤い帽子が可愛い♡」という意見がとても多く、植物スタッフたちも全く気が付かなかった、このサボテンの魅力を気づかされた、意外な結果となりました。(正直、1位にまでなるとは思わなかったので)
頭の上にある赤い帽子のようなものは「花座(セファリウム)」と呼ばれるもので、ここから小さな花が咲きます。
このサボテン、メロカクタスの仲間はこの花座が、とても大きくトルコ帽子のようになるのが特徴!この花座のおかげでこのタイプ(メロカクタス属)のサボテンは、日本名だと[~雲]と名前の下に雲の名前を持つことが多いようです。
※名前といえばこのサボテン!業者より購入した時は「飛燕雲」という形で入ってきましたが、この「飛燕雲」に関する情報、なかなか見つからず、結局、形も和名もよく似ている「Merocactus conoideus」ということで結論付けました。(ちなみにその和名は「緋燕雲」!もしかしてこちらと間違えたのかとも思いましたが、結局このサボテンのアレンジ版の和名ということで「飛燕雲」を採用しました。)
このタイプのサボテンは、寒さに弱く、育てるのは大変。冬は、暖房のきいた日当たりのよい所で、気を付けながら育てる必要があります。(霜や雪に当てなければ大抵大丈夫なサボテンの中ではかなり例外的な存在です。)
またヨーロッパ人が、アメリカ大陸を発見した時、最初に持ち帰ったといわれるのがこのサボテン! 膨らんだ体に、とげとげが生え、頭の上に帽子をかぶったこのサボテンは、さぞかし初めて目にしたヨーロッパ人には奇異に見えたことでしょう。
花は見られませんでしたが、品評会の終わった後、いつの間にか、透き通るようなピンク色の美しい果実が出来ていました(この中に種が入っています。)
続いて、第2位の植物は、
エントリーナンバー11番「ラフィオナクメ・プロクンベンス Raphionacme procumbens」128票
何とも、長い名前! サボテンではなく、ガガイモ科と呼ばれる 南アフリカが故郷の植物
最初に見たときは、植物とは思えず、鏡もちか、円盤か?はたまた白いざぶとんのように見えました。造形の神様はつくづく不思議なデザインを この植物に与えたものです。ちなみにこの公園で公開されたのは、今回が初めて!
このおもちのような部分(根茎といいます)に水や養分を蓄え、乾燥した気候でも生きていけるようになっています。このような植物をコーデックス(塊根植物)といいます。
ちなみにこれは「ラフィオナクメ・プロクンベンス(長い!)」の花! 品評会の終わった後、暖かい部屋に移したら、いつの間にか咲いていました♡(割と目立たない小さな花です)
さあ、続いて第3位は!
エントリーナンバー10番「(だるま)金鯱(キンシャチ Echinocactus grusonii)」121票
2位にあと一歩と迫る奮闘ぶり! 去年に続いて今年も出展して、相変わらずの人気ぶりを発揮しました。
なんてことのない、ただの金鯱なんです。でも何よりも世界に二つとないこのデザイン! 一度成長を止めて、死にかけたサボテンが、七転び八起きのダルマのごとく、その後見事に復活! ダルマのようなくびれのある不思議なサボテンへと成長していったのです。ちなみにこの大きさなら50年~60年以上は生きているでしょう長寿のサボテンでもあります。 愛らしい姿が人気の秘密!
さて続いて第4位の植物は、
エントリーナンバー4番 「リトープス Lithopus sp」115票
「脱皮する植物 !」という何とも衝撃的な生態から人気を集めた植物 サボテンではなく、ハマミズナ科(メセン科と呼ばれることもあります)という多肉植物の仲間で、南アフリカが故郷。
古い葉っぱ(この膨らんでいる部分です)が、しおれてきて、真中の割れ目の中から新しい葉が形成され、まるで脱皮をするように成長していきます。その姿は、古い葉を脱ぎ捨てて新しく生まれかわる昆虫のよう!
またこの植物「生きている宝石」とも呼ばれ、その美しい陶器のような姿はもとより、故郷の南アフリカでは石の中に紛れ込んで生え、その姿から「石に擬態する植物」とも言われています。(実際、石の中に紛れ込んでしまうこの植物を現地で見つけるのは大変です。)
さて続いて、第5位の植物は
エントリーナンバー1番「白星 Mammillaria plumosa」98票
白いフワフワとした姿が、何とも愛らしいこのサボテン! 品評会期間中いつの間にか白っぽい小さな花を咲かせておりました。(花の咲いた姿がまた一段と愛らしい♡)
白いワタのようなこのトゲは、汚れやすく、本来、「おさわり厳禁!」 でも今回は、このサボテンの姿をより知っていただきたいとの観点から、まだ小さい方の株をあえて触って、その感触を味わっていただくことにしました。(触ってもちっとも痛くありません) するとまあ案の定、このサボテンの気持ち良いさわり心地に癒された人たちが次々と(♡ほほほほ・・・・♡)
品評会の後、この小さなサボテンも暖かい、日の良く当たる温室へ移し、現在元気に生育中です。
さ~てまだどんどん紹介していきたいところですが、キリが無いのでここからは一気にご紹介!
第6位 15番「ジグザグノキ Decarya madagascariennsis」83票
第7位 14番「君美麗(クンビレイ)Aeonium holochysum」79票
第8位「旋風玉(センプウギョク)Ferocactus cylindraceus var.tortulospinus」69票
第9位「白刺金鯱(シロトゲキンシャチ)Echinocactus grusonii var.albispinus」60票
第10位「火星人 Fockea edulis」58票
同第10位「青柳(アオヤギ)Rhipsalis cereuscula」58票
第11位「砂漠の薔薇(バラ) Adenium obesum」45票
第12位「ツルビニカルプス ミニマム Turbinicarpus pseudomacrochele ssp.minimus」30票
第13位「姫春星 Mammillaria humbolditii var.caespitosa」27票
第14位「カランコエ・ルキア・モンストローサ Kalanchoe luciae Monstrose」18票
「今まで見たことのない植物!」というのが、今回の「おもしろサボテン品評会」のテーマでしたが、なかなか面白い植物がそろったのではないかと思っています♡
以上のような結果となりました。
今回は、毎日スポットガイドを行っていた去年と比べ、土日、祝日のみのスポットガイド! 明らかにご投票者が少なくなることは予想出来ておりました。
にもかかわらず、終わってみると、総投票者数は無効票も合わせなんと、1,281票!
たくさんのご投票をご来園者の皆様から頂くことが出来ました。皆様、本当にありがとうございます。
今回、ご投票いただきました、皆様の中から、21組、ささやかではありますが、伊豆シャボテン動物公園 年間パスポート(1組様)、公園ペアチケット(10組様)、カピバラ・サボテンストラップ(10組様)を送らせていただきたと思います。(本当は皆様に差し上げたいのですが、どうかご容赦ください)
今回もこのおもしろサボテン品評会を通して、私たち植物スタッフも気が付かなかった意外な植物達の魅力を、お客様に発見していただき、改めて、植物の世界の面白さを再認識することが出来、大いに実りのある特別展となりました。
この催しを通して、一人でも多くの方が、サボテン・多肉植物、ひいては植物のことを好きになっていただけたら、本当にうれしく思います。
それではまた、皆様、伊豆シャボテン動物公園でお会いいたしましょう(ホームページでも)!
伊豆シャボテン動物公園 植物エンターテイメント課一同より心からの感謝をこめて