サボテンブログ

2020.11.02

おもしろサボテン品評会! 今年も開催していますよ~ 

サボテンと多肉植物を愛する皆さん!

今年も開催しておりますよ~ 「第7回 おもしろサボテン品評会」!

普段、寒さに弱かったり、植物が小さすぎて大温室の展示に向かなかったり、形が個性的過ぎて常設の展示に向かなかったりと様々な理由で一般の人々には中々お見せ出来なかった本公園秘蔵のサボテン・多肉植物達を一堂に展示し、その中で最も皆様の心をとらえることの出来た一番人気の「栄えあるサボテン(多肉植物)」を皆様のご投票で決めましょう!というこの企画、早いものでもう7回目を迎えます。

 

 

コロナ騒ぎで、一時は開催さえ危ぶまれたこの企画、工夫を重ねなんとか開催にまでこぎつけることが出来ました(感無量!)。

今年は、投票方法を変え、感染防止の観点から、鉛筆で記入する方法ではなく、赤いシールを他の人に触れることなく取り出して、それを投票掲示板に貼っていくという形式にいたしました。

さらに、展示会場には、消毒液を置き、展示物もソーシャルディスタンスを考え配置し、万全の態勢で臨んでいます。

 

 

 

そんなわけで出展している植物も今年は10展、とちょっと少なめなんですが、それでも個性的な逸品をそろえさせていただきました。

中にはなんと販売可能な植物まで!(まるで美術展の出展作品!)

 

 

そのようなわけで、今年も個性的な植物たちの紹介をささやかながら、このホームページでさせていただきたいと思います。

まずはエントリーナンバー①番、緋燕雲(ヒエンウン Melocactus  conoideus)

頭の上に載っているトルコ帽子のような飾りがなんともおしゃれ♪ もちろんサボテンにとってこれは飾りではありません、この赤い頭の上の部分は花座(セファリウム)と呼ばれるもの。このサボテンはここから赤い星のような小さな花を咲かせます。♡

この帽子のような赤いもこもこした花座を空に浮かぶ雲に見立てて付いた名前が「飛燕雲(ヒエンウン)」。何ともさわやかな名前です。メロカクタス属のサボテンは大人になるとこの花座が発達してこのような形になるのが特徴で、名前の後ろに大抵、「~雲」と雲の名前が付くようになっています。

この写真の花座の上にある黒いゴマ粒のようなものはこのサボテンの種、花が咲いた後で、ピンク色の美しい実をつけるのですが、この実が乾いてはじけると花座の上にもこのような種が散在することがあります。案外発芽率はよく、この種を砂の上に巻いて、水をたっぷりと与えるとマッチ棒の先のような小さな子供が生まれてきます。

じつはこのサボテンの仲間は、ヨーロッパ人がアメリカ大陸を発見した時、最初に本国に持ち帰られたサボテンといわれています。海岸地帯に生えていることも多く、船でやってきて、この個性的な姿をした見慣れない植物を見た当時のヨーロッパ人達が、魅了されたのも無理からぬことでしょう。

唯一の弱点は寒さに弱いこと、冬は暖房のついた日当たりのよい部屋で10度以上の温度を保つことが理想です。

ちなみに本公園では冬は、ガラスの温室に入れて、さらにその温室にビニールを張ったフレーム(ホームセンターの園芸コーナーで売られています)の中のそのサボテンを入れ、そこに家庭用温室ヒーター(ネットで売られています)を入れて越冬させています。十分な日光と最小限の最低温度を保つことが出来れば意外といけます。(冬は過湿、厳禁!)

目下、絶賛販売中のサボテンですが、ふっふっふ・・・・育ててみますか?

 

さて続いてエントリーナンバー②番、雫石(シズクイシ Haworthia  ymbiformis var.obtusa  、Haworthia cooperi var truncata 、ススキノキ科)

「オブツーサ」という名前が一般的!葉の先が透明で透き通っているなんとも神秘的な植物。柔らかいように見えますが、実は意外とつるつるで硬い。この手触りがまたなんとも癖になるのです。女性にとても人気があります。

度々、この品評会でも出展しているのですが、今回はその中でもとびきり大きな株を展示!ここまで大きな雫石は、なかなかあるもんじゃありません!

この植物が真価を発揮するのは何といっても、太陽の光にその身をかざした時!

透明な葉の先が、光を受けてガラス細工のようにキラキラと輝き、まさに雫石の名の通り、水滴が雨上がりの光にきらめいているかのごとく美しい眺めになります。

雫石の故郷は、南アフリカの東ケープ州。自生地ではその体のほとんどが砂や砂礫の中に埋まっています。

この植物はその透明な葉先を地表に出し、それがレンズのように太陽の光を地面の下に取り入れて光合成をするといわれています(このような植物を窓植物といいます)。

いかにも繊細な植物に見えますが、実は意外と丈夫で、コツを押さえておけばどなたでも育てることが出来ます(ここまで大きな株はそうはありませんが)。

 

さて続いてはエントリーナンバー③番、刈穂玉(カリホギョク Ferocactus  gracilis)

ど~よ!この激しくも美しい赤いトゲ!故郷はメキシコ、カリフォルニア半島 日差しのとても強いところです。

日の光が強く当たるほど、そして紅葉と同じように昼夜の寒暖の差が激しいほど、トゲは太く、鮮やかな赤い色となります。

日本で、この鮮やかなトゲを維持していくのは至難の業!たいてい光が足りず(直射日光に当てるのが良いのですが、雨と冬が問題!)、また湿気のためトゲは色あせ、カビは生え、トゲは細くなりがちです(ダメじゃん!・・・)どれほど多くの園芸家がこのトゲを維持していくのに日夜奮闘していることか(そこがまた楽しいのですが♪)

寒暖の差が激しい信州の業者様の中では、時に目が覚めるような鮮やかな見事なトゲのこのサボテンを栽培している所があります。(寒暖の差だけではなく様々な工夫を行っているようですが)

この刈穂玉!とげが鋭いだけでなくこのように先が微妙にカーブしているのも魅力の一つ!横に線が入っていて何となく猛禽類のツメを思わせます。ちなみに刈穂玉の属名、フェロカクタス(Ferocactus)とは、「恐ろしいサボテン」という意味があります。

この刈穂玉の近い仲間に「神仙玉(シンセンギョク) Ferocactus  coloratus」というサボテンがありますが、こちらも赤く素晴らしい太いトゲを持つサボテンで、多くのサボテン園芸家に刈穂玉と共に愛されています。

 

さて続いてはエントリーナンバー④番、金鯱(キンシャチ Echinocactus  grusonii)  だるまさんタイプ!

でた~!品評会最多出場! 今年もいぶし銀の魅力で人気を集めている逸品!

なんてことはない、普通の金鯱なんです(それにしては少し大きいですが・・・・・)だるまのようなこの個性的な形は一回、死にかけた時の名残。

一回成長が止まってしまって死にかけたことがあるサボテンなのですが、その後、自分の力で見事、成長を再開し、再び膨らんできたためにこのようなだるまのような形になったのです(まさに七転び八起きのだるま)私たちに、生命の力強さと共に栽培していくうえで真摯に取り組む大切さを教えてくれるサボテンでもあります。

どうも、今でも絶賛生長中!のようで、品評会を重ねることに花の数が増えていきます。写真は花の咲いた後の実の部分です。この大きさであれば、60年位は生きています。

しかし!まだこの公園の中ではこのだるま金鯱も子供の内!上の写真の内の金鯱達はいずれも100年を超えて生きています。(一番年長でおよそ170歳!)

 

 

 

 

ちなみにこちらは、その金鯱の生まれて間もない姿(1年経っていません)!マッチ棒の先くらいの大きさしかありません。

だるま金鯱も最初はこの姿から、60年経って今の大きさになったのです。

 

 

 

さてもう今回はもう一つだけ、エントリーナンバー⑤番、ブーファン・ディスチカ(Boophane  disticha 、 ヒガンバナ科)

巨大な球根から、扇のような葉が大きく広がってます。一度見たら忘れられない姿!これでもヒガンバナの仲間なんです。

故郷は南アフリカでケープバルブとも呼ばれています。

ちなみにブーファンとはラテン語で「雄牛殺し」という意味。これはこの植物の樹液がとても有毒なことから来ています。(さすがヒガンバナの仲間!)

この膨らんだ球根に水や養分を蓄えて、乾燥した大地でも生きてくことが出来ます。冬は葉を落としこの球根だけの姿で休眠します。

この姿だけでも個性的ですが、何と言ってもすごいのはこの植物の花!めったに咲かない花ですが葉の中心部から太い花径を伸ばし丸くて赤いド派手な花を咲かせます。私も一度見ましたが、まるで打ち上げ花火のようでした。  ところがこの花、じつは花粉に毒が含まれていて閉め切った室内で見ると目が痛くなることがあるそうです。そのため花が咲いたら一回外へ出したほう良いとの事(怖っ)とにかく並の植物ではありません!

寿命は長く、自生地では100年を超えるものもあるといわれています

そしてブーファン・ディスチカの日本での名前は! バーン・・・!「太閤秀吉」!(笑)

実際、豊臣秀吉の兜に本当にこんなのがあります。(一の谷馬藺後立付兜 イチノタニバリンウシロダテツキカブト という名前です。)

実際こんな兜をかぶって戦ったら目立つこと間違いなし、頭の中を「麒麟が来る」のテーマ曲が流れます(敵役だろうがっ!)

名前もめでたくこの存在感!今回の品評会の一押しです。

 

 

 

今回、予想外に投票してくださるお客様が多く、スタッフ一同、うれしい悲鳴を上げております。

個性的な植物たちに会いに、ぜひ、品評会会場(第5温室、メキシコ館)へお越しください(ご投票もよろしく♪)

 

植物エンターテイメント課 一同

記録:真鍋