サボテンブログ
2019.12.11
サボテンと多肉植物を愛する皆さん!(とっても緊張しています!)
お待たせいたしました。「第6回、おもしろサボテン品評会」投票結果を発表いたします!
パ~ッパラパッパッパッパ~~~♪
普段、寒さに弱かったり、本公園で展示するには小さすぎたり、形が変わっていて一般展示には向かないと、普段はなかなかお見せすることの出来ない、すなわち本公園の秘蔵のサボテン・多肉植物達を一堂に展示し、その中で、最もお客様の心を打つことの出来た植物を皆様のご投票で決め、一番人気を選び出そうという本公園名物のこの企画! 早いもので今年でついに6回目を迎えることが出来ました♪
今年もたくさんのご投票を来園者の皆様から頂き、スタッフ一同、感謝と感激の心でいっぱいです。
さて、それでは今年も発表いたしまししょう! 今回、皆様の心を最もとらえることの出来た第1位の植物は(ドキドキ!)
エントリーナンバー⑧番、「キャットテイル Cleistocactus wintri ssp. coldenomonis) 255票
この植物でした~~~~! パ~ッパラパッパッパ パ~♪
「ネコみたい!」「もふもふしている」、「衝撃的」、「うちのネコと同じ!」、「風に揺れそう!」「ネコはずるい!投票してしまうじゃないか♡」ととにかく人気の高かったこのサボテン!台風の影響や、準備の段階で、少しみんなより出遅れての展示となりましたが、見事に皆さんのハートをとらえることが出来ました♡
本来は南米ボリビアに生える、柱サボテンの仲間。といってもご覧の通り、柱の様に立ち上がることはなく、地面を枝分かれしながら這って(匍匐〈ほふく〉して)生えています。
むふふ♡ さわってみたいでしょう♡ 白い毛の様にしか見えないこれは、このサボテン独特のトゲ。このサボテンが成長するにつれ、長くなります。
上から下へと撫でるようにさわれば、さわることも出来ますが、この白いとげは根元の方が固く、しかも短く硬い別のとげもあるので、この姿に惑わされ、うっかり強く握ると痛い目にあいます!
「キャットテイル」というのはどうやら日本での呼び方らしく、英語ではこのサボテンの事を「Monkey tail cactus(サルの尻尾)」と呼ぶそうです。(うちのリスザルの尻尾を白くするとちょうど、こんな感じになります♡)
柱のようなおしゃれな展示台に、あえて説明のいらないネコのシルエットも勝因の一つだったようで、サボテン・多肉植物の展示は改めて工夫次第!と気づかされます。
さ~て続いて、第2位は!
エントリーナンバー⑬番、チーム・リトープス(Lithopus属)みんなでまとめていけ~♪バージョン! 250票
おしい!1位との差、わずか5票!
じつは、この品評会が終わる前、3~4日前まで、ずっと1位を守り通してきた植物なのです。それが、「キャットテイル」の想像を超える人気にどんどん追い上げられ、ついに逆転を許してしまいました(う~ん、残念!)。
とはいえ、見事な大健闘!植物達は、全部で、17種類植えられています。一つ一つの植物達はみんな違う模様をもっています。これがこのリトープス属の植物達の特徴。ちなみに種類は、
さあ~、上からいきますよ~
富貴玉(フウキギョク)、大津絵(オオツエ)、紅福来(コウフクライ)、紫李夫人(ムラサキリフジン)、白薫玉(ハククンギョク)、黄微紋(オウビモン)、紫褐紫勲玉(シカツシクンギョク)、ウェベリー、曲玉(マガタマ)、繭形玉(マユガタギョク)、トップレッド、緑福来玉(ミドリフクライギョク)、ボルキー、レディクラータ(レティクラータ?かも)、麗春玉(レイシュンギョク)、朱唇玉(シュシンギョク)、菊章玉(キクショウギョク)の17種類!
これはまだ一部!リトープスには園芸品種も含め、まだまだ、様々な種類があり、それぞれに模様が違います。
どうして、これほど複雑な模様になったのかというと、これは、身を守るための進化の結果!
彼らの故郷は南アフリカナミビア、ボツワナの乾燥地帯。 石英(せきえい)などがある、岩場の割れ目や礫砂(れきさ)に覆われた大地に自生しています。
彼らは、自分たちの生きるこの場所の周りの石の色に合わせ、動物たちの食害から身を守っているといわれています。(つまり石の模様に擬態〈ぎたい〉しているというわけです)
さらに優れ者なのがこの植物の葉っぱの模様!(そう、この丸い部分、この植物の葉っぱなんです)ここから太陽光線を窓の様に取り入れ、光合成を有効に行うことが出来るようになっているのです(ちなみにこのリトープス、野生ではほとんどこの模様の部分だけ外に出して後は地面に埋まっています)
この美しい模様から彼らリトープスは「生きている宝石」とも呼ばれています。
さて、それでは第3位の植物は、
エントリーナンバー⑤番、(だるま)金鯱(キンシャチ Echinocactus grusonii) 148票
でた~! この品評会、一番の常連! 毎回高投票を獲得しているいぶし銀の魅力!今年も「等身大のどら○もん♡」などと呼ばれ、人気を博しておりました。
なんてことはない、普通の金鯱(きんしゃち)なのです。真ん中のくびれている部分は、一度成長が止まって死にかけた部分!そこからまさに「七転び八起き」のダルマのごとく、復活して成長を再開し、このような形になったというわけです。この大きさなら、もう60年位は生きています。
植物の生命力の強さと供に、育てることの難しさ、大切さを私たち、スタッフにも教えてくれるサボテンでもあります。
ところでこの金鯱、どうやら、3段にも見えるらしく、「おだんごみたい」と投票者の方からも幾つかのご指摘がありました。
下のくびれている所は、死にかけたわけではなく、このサボテンが成長してきた証です。金鯱は、長く生きているものは下の部分が黒くこのような形になっていきます。決してこちらは悪くなっているわけではなく、この下の部分から、水を吸い上げ、上の部分にも供給しているというわけです。
花の咲いた後の実の部分も、去年より多くなってきました。これからこのサボテンがどんな成長をするのか、楽しみです♡
さてそれでは第4位の植物は、
うわっ!びっくり! エントリーナンバー⑯番、白鳥・綴化(ハクチョウ・テッカ Mammillaria herrerae f.crist) 133票
なんとも、インパクト抜群のこのフォルム! というかどう見ても「脳みそ」ですよね~~~
意外と、他の見方をしてくださるお客様も多くて「ソフトクリームみたい」、「白ヘビがのってるみたい」等というコメントもありました。
本来は、「白鳥(ハクチョウ Mammillaria herrerae)」という名前の通りとても愛らしい姿をした丸いサボテン!
それが、綴化(テッカ、ツヅリカとも読みます)といいまして、本来丸く育つはずのサボテンの成長点が、突然変異や様々な原因によって、帯状に広がって、このような形になったものです。
このタイプのサボテンとしては珍しく、トゲがまったく痛く無く、触ってもフェルトのような手触りです。
この何とも個性的な形が、人気を集めたようで、見事4位を勝ち取ることが出来ました。
ちょつと腐りやすいのがこのサボテンの泣き所なので、これから大切に育てて、冬越しをしてあげなくてはなりません。
さて、続きまして第5位の植物は、
エントリーナンバー③番、奇想天外(キソウテンガイ Welwitschia mirabilis) 99票
誰もが、足を止めて、一度は、この植物を眺めていました。姿も名前も一度見たら忘れられない、珍植物オブ珍植物!
二枚の葉っぱだけが、生涯にわたって伸び続けるなんとも変わった性質をもつこの植物!葉の先は裂けやすく、先端からいくつも千切れていき、古いものだと葉がたくさん生えているように見えるのですが、実際は本当に2枚だけしかありません! 故郷のナミブ砂漠では、牛のように大きな株が、1,000年以上にもわたって生き続けています。
マツと同じ裸子植物。案外古いタイプの植物なのかもしれません。写真の真ん中の部分は、花の咲いた後。 松ぼっくりを思わせるような形をしています。雌雄異株で、雄の花と雌の花は微妙に花の形が違います。
1科1属1種(ウィルウィッチア科、ウィルウィッチア属、ミラビリス)つまり、同じような植物の仲間は、世界に存在しないといってもよい正に「ラフレシア」、「オオオニバス」と並ぶ世界の三大珍植物です! ちなみに種名の「ミラビリス(mirabilis)」というのは「驚異の」という意味。
誰もが認めるこの変わった植物が見事、5位となりました。
さあ~~、ここからは、まとめて発表しちゃいます♪
6位 ⑫番、リトープス(Lithopus sp 、ハマミズナ科)、一個だけバージョン! 63票
7位 ①番、ラフィオナクメ・プロクンベンス(Raphionacme purocumbens、ガガイモ科 ) 61票
8位 ⑥番、竜翔雲(リュウショウウン Melocactus sp)57票
9位 ⑦番、蝦蛄葉仙人掌(シャコバサボテン Schlumbergera truncata) 46票
10位 ⑪番、ユーリキニア・カスタネア スピラリス(Eulycnia casutanea f. spiralis) 37票
11位 ④番、金冠竜(キンカンリュウ Ferocactus chrysacanthus) 33票
12位 ⑮番、刈穂玉(カリホギョク Felocactus gracilis) 29票
13位 ビスピノーサム(Pachypodium bispinosum 、キョウチクトウ科) 28票
14位 ⑭番、烏羽玉(ウバダマ Lophophora williamsii ) 25票
15位 ②番、アローディア・デュモサ(Alluaudia dumosa) 17票
16位 ⑨番、フランコイシ― v. クラシカウリス(Euphorbia francoisii v.crassicaulis 、トウダイグサ科) 6票
以上の結果となりました~~♪
例え票が少ない植物といえども、皆様の熱いコメントが寄せられているものもあり、今回の植物達をどれほど皆様が熱い思いで見てくださったのかがよくわかります。
植物の面白さをお伝えし、皆様が少しでも彼らの事を好きになってくれたら、という思いから始まったこの企画!そういう意味では大成功です。
今回は、台風、その他の事情により決して良い条件の品評会といえるものではありませんでした。(私ももう少し、スポットガイド、やりたかったな~~~~~)
そんな中でも今回の総投票者数は、おもしろいコメントのあった無効票も入れてなんと、1,314票!
台風で、閉園直前の状態でも、1票入れてくださった方がいたことが忘れられません。
私たちも、「より一層植物の面白さを伝えていかなくては!」と思った次第です。
本当にありがとうございました。
ささやかではありますが、今回のご投票いただきましたお客様の中から、抽選で、伊豆シャボテン動物公園年間パスポート(1名様)、公園ペアチケット(10名様)、オリジナル商品(10名様)を送らせていただきたいと思います。(本当は皆様にお送りしたいのですが、申し訳ありません!)
皆様の応援で、今回も無事、「おもしろサボテン品評会」を終えることが出来ました。 そしてこれからも皆様に少しでも植物の面白さを伝えていけたら、と思っています。
それでは、皆様、また伊豆シャボテン動物公園でお会いしましょう!(ホームページでも♪)
伊豆シャボテン動物公園 植物エンターテイメント課一同より、心からの感謝をこめまして