サボテンブログ

2019.10.27

おもしろサボテン品評会!今年も開催しています!

サボテンと多肉植物を愛する皆さん!

さあさあ、今年もやってまいりましたよ~~~♪

「第6回 おもしろサボテン品評会」

普段、寒さに弱くて、常設展示できないもの、小さすぎて、大きな温室展示に飾りにくいもの、形が変に成長して、一般展示に向かないもの、

そんな様々な事情で、なかなか容易に展示できない(つまり秘蔵の♪)サボテン・多肉植物達を1番から16番まで一堂に集め、皆様に公開して、その中から「最もお客様の心をとらえることが出来たサボテン(か多肉植物!)を皆様の投票で選挙を行い、一番人気の植物を決めよう! というこの企画、早いもので今回で6回目を迎えることが出来ました。

 

今年もこれらの植物をこのネット上でも、ささやかながら紹介してまいりたいと思います。(ああ! ネットで選挙できないのが残念!)

 

先ずはエントリーナンバー①番、ラフィオナクメ・プロクンベンス(Raphionacme  purocumbens )  長い!・・・・

鏡もちか?はたまた白い円盤か? およそ植物らしくない姿をした、南アフリカが故郷のガガイモ科と呼ばれる植物の仲間。

このおもちのような白い部分は、根茎(コンケイ)と呼ばれるもので、この中に水や養分を蓄えて、この植物は乾燥した砂漠のようなところでも生きていくことが出来るというわけです。このように根もとの部分が大きく膨れている植物を「コーデックス(塊根植物)」といいます。

時々さわって貰ったりすることもあるんですが、本当に鏡もちのようにすべすべです(ふふふ…♡)。

ちなみにこの白い部分(根茎)、自生地では残念ながら、ほぼ地中に埋まっているとのことです。

この植物の属名でもある「ラフィオナクメ(Raphionacme)」の語源はギリシャ語の「rhaphys(カブ状の)」+「akme(鋭い)」という意味になります。この場合の「鋭い(akme)」というのは「とても苦い塊根の味」を示しているそうです。 誰かこの植物を鏡もちと思って食べちゃったんですかね~?

 

このラフィオナクメプロクンベンスは、うっすらと毛の生えた葉をつけます。でも寒さに弱い植物で、品評会に展示するときには、わずかにこの葉だけが残っていました。 ちなみに花は真中が紫色で周りが緑色の星形の小さい花を付けます。

また、この植物、湿気には大変弱く、雨がかかったり、長い間湿気に晒され続けていると、この美しい白い体にカビが生えてきたりすることがあります           (カビもち!・・・)

湿気の多いときは、扇風機に当てたりして、本体を乾かしたりすることもあります。

 

 

さあ、続いてエントリーナンバー②番、アローディア・デュモサ(Alluaudia dumosa)

およそ生きているようには見えない、ほとんど枝だけ!という奇怪な姿!   マダガスカル東南部に生えるディデイエレア科という植物の仲間です。

体の表面はよく見るとトゲが生えていて、何となく、細長い生き物を連想させます。成樹は、高さ数メートルの潅木になります。

葉っぱは無いようで、実は生えています。新しい枝(新梢)に小さな葉を短い間付けますが、この葉はやがて脱落してしまいます。

 

 

実はこの植物の仲間、アローディア(Alluaudia)属は、第4温室(マダガスカル館)に展示されています。

「カナボウノキ」などと呼ばれることもあります。  幹から直接葉が出ているように見えますが、実はこの植物、幹に成長しない短枝という枝がびっしりとついていて成長期にはその先端から葉が出るという性質があります(つまり、トゲの付いた棒と葉だけに見える部分に小さな枝がいっぱいあるというわけです。)。

ところが、このデュモサには、その短枝につく葉が無く、刺も他のアルオーディアと比べると少ししかなく、アローディアのマニアにとっては、これがアローディア属か?と思うくらい(・・・日本に30人いるかどうかだと思いますが・・・・・)他のアローディアとは異質の姿をしているのです!(上のアローディアと比べてみましょう♪)

この何とも不思議な形にひかれるのか、意外とこの植物の前で足を止めてくださるお客様は多いです。

 

 

 

さて、続いての植物はエントリーナンバー③番、奇想天外(キソウテンガイ Welwitschia  mirabilis)

奇想天外 摩訶不思議~♪ 奇妙奇天烈 四捨五入~♪ 出前迅速 落書き無用~♪ ど~らえも~ん♪ というわけで(覚えている人いるかな?)名前の通り、非常に奇妙な形をした世界三大珍植物のひとつ!(ふふふ♪・・・後の2つはわかるかな?・・・)

真ん中の太い非常に短い茎から2枚の昆布のようなベルト状の葉っぱだけが生涯、伸び続けるという、その生態も植物離れした変わり者!

葉は裂けやすく、先端からいくつも千切れていき、古いものだと葉がたくさん生えているように見えるのですが、実際は本当に2枚だけしかありません!

種名の「ミラビリス(mirabilis)」というのは「驚異の」という意味!世界中誰もが認める変な植物だったんですね~

故郷は、アフリカのナミブ砂漠。雨の非常に少ない所で、この植物は長さ3~10メートルにもなる長い根を伸ばして地下水を吸い上げて生きているといわれています。

非常に長命の植物で、自生地では1,000年を超えて生きているといわれています。(2,000年以上という説もあります!) 希少な植物のため、生息地のナミビアでは大切に管理、保護されています。

 

実は、この植物、マツなどと同じ裸子植物!花も何となく、松かさを思わせるような花が、この植物の中心部分から咲きます、ちなみに雌雄異株で、雄の花と雌の花は微妙に形が違います。

マツと同じ裸子植物といっても、実は1科1属1種(ウィルウィッチア科、ウィルウィッチア属、ミラビリス)つまり、同じような植物の仲間は、世界に存在しないといってもよい正に「ラフレシア」、「オオオニバス」と並ぶ世界の三大珍植物です!

ついでにもう一つ、「奇想天外」はこの公園の基本設計を作った近藤典生博士とも縁が深く、1,000年を超えているかもしれないこの植物の後ろで両手を抱きかかけるように広げている博士の写真がこの公園の50年記念誌にも掲載されています。

 

 

さて次に紹介いたしますのはエントリーナンバー④番、金冠竜(キンカンリュウ Ferocactus  chrysacanthus)

故郷は、メキシコ・バハカリフォルニアのセドロス島 太陽のイメージにふさわしく この展示されている金冠竜は、見事なまでに太くて、鮮やかな黄色いトゲに覆われています。これほど鮮やかなトゲを持つものはそうはありません。

御覧なさい!この鮮やかな黄色いトゲの頭の部分! まるで金色の野に降り立つような・・・・ ラン♪ランララランランラン♪(疲れてるのかな?・・・)  ちなみに「金冠」とは、黄金製のかんむりまたは黄金で飾ったかんむりのことをいいます。何とも縁起のよさそうな、おめでたい感じのするサボテンではありませんか!  花も黄色です。

 

気難しいものが多いフェロカクタスの中では比較的育てやすいサボテンといわれていますが、この太くて鮮やかなトゲを維持していくのは至難の業!  普段強い日光のもとで育て、昼夜の寒暖の差が大きい所で育てないとなかなかこのような鮮やかなトゲにはなりません。しかもそれだけの条件で必ず鮮やかになるとは限らない! 湿気の多いこの国では、トゲの周りにカビが生えないように常に注意しておかなくてはなりません。

 

ちなみにこの金冠竜には赤刺のものもあり、「赤刺金冠竜(アカトゲキンカンリュウ」と呼ばれています。(うちの公園にも一つあります♪)面白いことにこちらは花の色が赤いそうです。

 

 

11月24日まで、どんどん盛り上がっていく(はずだ)このおもしろ品評会!今後もどんどんこの植物達を紹介して参りたいと思います。

公園にお越しの際は、ぜひ楽しみながら、御1票、入れてみてくださいね♪ スポットガイドも可能な限り行って参りたいと思います。

 

植物エンターテイメント課一同

記録:真鍋