サボテンブログ

2018.11.08

おもしろサボテン品評会 今年も絶賛開催中! パートⅡ

サボテンと多肉植物を愛する皆さん!

11月だというのに暖かい日が続き、サボテン達にとってまことに結構な日々が続いている今日この頃♡

先週に引き続きまして、今回もただ今第5温室(メキシコ館)で開催しております、「第5回おもしろサボテン品評会!」ただ今出展中のおもしろ植物をご紹介いたしま~す。

 

先ずはエントリーナンバー⑥番、アデニューム・アラビカム(Adenium  arabicum  キョウチクトウ科)

大きく膨らんだ根もとの部分から空に向かって手を伸ばすように幾つもの枝が、葉をつけて伸びているのが分かりますか?

アラビカムという、どこかアラビアの雰囲気が漂う神秘的な植物♪

その名の通り、故郷はサウジアラビアやイエメンの紅海、インド洋の沿岸付近で乾燥した荒れ地の岩や砂礫の上に自生しています。

①番の、砂漠の薔薇(サバクノバラ Adenium  obesum)に似ていますが、このアラビカムの方が根茎が低く横に広がりがりやすく、そのため全体的に幅広く見えるのが特徴!

花は、沙漠の薔薇に負けず、美しいくっきりとしたピンク色の花が咲きます。

が、やはり砂漠の薔薇と同じく、寒さに弱く、冬は、暖房のある、日のよく当たる温室へ移さなくてはなりません。ちなみのこの植物も前回のブレビカリックス(④番)と同様、冬は葉を落としながらも硬い表皮の下の葉緑素で光合成をして、寒さに対する体力をつけている頑張り屋さんです。

さて、このアデニューム・アラビカムの自生するイエメン共和国には古くから「アデン」という港湾都市があるのですが、このアラビカムの属名「アデニューム」の由来はこの「アデン」から来ているという説があります。

驚くなかれ! 旧約聖書に登場する「エデンの地」は「エデン」がなまって後に「アデン」と発音されるようになったといわれ、伝説のエデンの地はこの「アデン」の事ではないかといわれているのです。

と、いうことはですよ! つまりエデンの地に咲いていた花というのは、このアデニューム(多分アラビカム)かもしれないということです。

伝説のエデンの地に咲いていた、薔薇と見まごうばかりに美しいピンクの花! ますますこのアラビカムが神秘的に見えてくるではありませんか。

 

 

 

 

というわけで、次の植物は、エントリーナンバー⑦番、 亜阿相界(アアソウカイ Pacypodium  geayi    キョウチクトウ科)

漢字で変換しようとしても、なかなか一度で決まってくれない(そりゃそうか)困ったやつ! 一度聞いたら誰もが「ああ、そうかい」と心の中で突っ込みを入れずにはいられない珍植物オブ珍植物!

 

この何とも奇妙な名前は、小説家でサボテン研究家の竜胆寺雄様が名付けたもの! この植物が生える自生地のマダガスカルが、アジア(亜細亜)とアフリカ(阿弗利加)の境界であることから、お互いの亜(あ)と阿(あ)を相分ける植物ということで、この名前にしたんだとか!

この方のおかげで、この植物はとにかく名前が超有名! 実物を知らない人もこの植物の名前は知っているという人が少なからずいるほど!

本展示会でも必ずといってよいほど、この植物の前で名前を見て、足を止めてくださるお客様がおられます。(う~ん、ありがたい♪)

実際、名前をヌキにしても、相当変わった形の植物! メタリックグレイの肌には、サボテンに劣らず(キョウチクトウの仲間です)たくさんのトゲ !    頭の上のみに、椰子のように生えている細い葉の真ん中(中肋といいます)は、よく見ると明るいピンク色になっています。

花はうんと成長しないと咲きませんが、美しい白い色をしています。

多肉植物を扱う店で、ごくたまに売られていることがありますが、日本で見られるのはほとんどが幼体(この展示されているものもそうです)。本当は、うんと成長すると、高さ7~8メートルにまで育ちます。

この植物も寒さに弱く、日本で育てるのは至難の業!

しかしこうしてみると、キョウチクトウ科というのは、実に変わった植物が多いものでございますな !

 

 

さて、続いて エントリーナンバー⑧番 金輪際(コンリンザイ Euphorbia  gorgonis  トウダイグサ科)

ありゃあ! これはまた、何と奇想天外に劣らず変わった名前の植物!!

南アフリカ~東ケープ州が故郷、主に乾燥性の草原などに自生しています。

学名のゴルゴニス(gorgonis)というのは、ギリシャ神話に登場する頭髪が蛇の怪物ゴルゴン三姉妹という意味からきています。確かに見てみると、真中から無数の枝がうねうねと飛び出し、さしずめ、ゴルゴン三姉妹のひとり、見るものを石と化したというメデューサの頭のよう!

マニアの間では、このような植物の仲間を「タコもの♡」といい、人気があります。いわれてみると、無数の足を出している、タコのようにも見えませんか?   そのようにしてみるとなかなかかわいく見えるかも?(いや 無理か !・・・・・・)

かっこいいタコ、いや、奇麗な形に育てるには、水やりを控えめにして、間延びしないように育てるのがコツ!

ユーフオルビア(Euphorbia)の仲間なので、うっかり、傷つけてしまうと、白い乳液のようなものが出て、それに触れるとウルシのようにかぶれてしまうので、あつかいにはちょっと注意が必要です。(間違っても、目に入らないよう注意!)

それにしても「金輪際」!こんな名前だれが、何を考えて付けたんでしょうかね~~~

金輪際というと、現在では、強い決意をもって否定する意を表す言葉になります。(もう、こんなことは金輪際! ごめんだ!・・・とか)

しかしこの植物とどういう関係があるのでしょう?まさか「もうこんな植物を買うのは、金輪際、ごめんだ !」・・・とか? いや、まさかね~~~?

 

金輪際という言葉は、もうひとつ! 仏教用語として、大地の最下底、私たちが立っている大地の根源である「金輪」という所のさらに一番底にある場所!(まさに金輪の際)という意味があるそうです。 中心となる大地から、放射状にのびる無数の樹木のような生命の枝! 案外、こういう意味でこの植物の名前が付けられたのかもしれません。

(大地の底に、巨大な こんなのがあったら、ちょっと怖いな~~~ )

 

 

 

というわけで、すっきりしたところで、次の植物のご紹介!

エントリーナンバー ⑨番 茶番仙人(チャバンセンニン Aloe  chabaudii ススキノキ科、ツルボラン科、アロエ科、ユリ科)

・・・・・・・・・・・・・・・・まあ~~ 植物の名前を付ける人たちは、おもしろい人たちが多いものですね~

しかし、だからこそ、この「おもしろサボテン品評会」もおもしろい植物を出すことが出来るというもの♪

よく見ると なかなかに、美しい植物! 銀白色を帯びた薄い葉には先端にうっすらと紅色がさしていて、何とも上品な雰囲気を醸し出しています。

形もとてもバランスが取れて、整っています。東南アフリカが故郷のアロエで、成長すると美しい赤い花を房のように咲かせます。

ちなみに「茶番仙人」という名前は、このアロエの学名、チャバウディ―( chabaudii)をそのまま、日本語で当て字をしたのが元になっています。仙人というのはアロエの仲間に時々、付けられる名前ですが(例、竹仙人、星仙人、針仙人)そんなところからきているのかもしれません。

 

ちなみに「茶番」とは、「底が見え透いて、芝居がかった行動」というのが一般的ですが、これには、歌舞伎の大部屋の下級役者の仕事であったお茶くみの人達(この人達を茶番と呼びます)が、即興でいろいろな工夫をして余興をして見せた風習がもとになっているようです。

下級役者の中には、才能があって、後に立派な役者になった人も、もしかしたらいた訳で(初代、中村仲蔵とか)、「仙人」なんて呼ばれる茶番なんて、まさに名役者のインディーズ時代 ? かもしれません。(歌舞伎役者の世界は厳しく、なかなか大変だったようですが。)

 

 

というわけで次の植物のご紹介♪

エントリーナンバー⑩番 残雪の峰(ザンセツノミネ Monvillea  spegazzinii  f.crist )

ぱーん ぱーんぱっぱぱーん♪ ぱーんぱぱぱっぱーん♪  ぱぱぱぱぱーん♪  ホーレ ホーレ ラッヒィヒヤ ラッヒャ ラヒホー♪ ホーレ ホーレ ラッヒヒヤ ラッヒヒェホー♪(いかん ! これで終わってしまう ! )

「アルプスの少女ハイジ」のオープニングがいつも真っ先に浮かんでしまう! このアルペンムード満載のサボテン!

縁(ふち)に、白い綿毛のようなものが生えていて、それがまるで、山の峰の残雪のように見えるため、このような名前になったロマンチックなサボテン♡

まるで険しい山の峰を思わせるような姿ですが、これは綴化(てっか)といって、元はまっすぐ伸びる柱サボテンの成長点が、突然変異を起こしたために、このような面白い形に成長したものです。

綴化(てっか)を起こしていない元の姿は、「残雪(ザンセツ Monvillea  spegazzinii )」という真直ぐな柱状のサボテンで、パラグアイからアルゼンチンが故郷になります。

 

この「残雪の峰」は、さらに寒さにより縁の部分が赤くなりまして、まるで朝日を受けた峰(モルゲンロートといいます)のようになり、一段とロマンチックな姿に♡

山登りが趣味な人は、こんなサボテンを眺めながら、はるかな山に思いをはせるのもまた一興かと♪

 

 

というわけで、今回はここまで! 名前も姿も珍妙な、不思議な植物達に、ぜひ会いに来てください。

植物エンターテイメント課一同

記録:真鍋