ANIMALS & CACTUS BLOG

動物 & サボテンブログ

サボテン 2024.09.29

イルカ、今年も咲きましたよ~♪

サボテンを愛する皆さん! 少し前になりますが、夜中に一晩だけ花を咲かせるお客様泣かせの珍サボテン!「入鹿(イルカ Macaerocereus eruca ※現在では Stenocereus erucaと呼ばれることが多い)が今年も9月15日の夜に花を咲かせていたので、事後報告ということでお知らせいたしますね(すみません・・・)

この「入鹿(イルカ)」というサボテン! メキシコのバハ・カリフォルニア、マグダレタ島 というところが故郷の柱サボテン。普通の柱サボテンのように地面に垂直に立ったりはせず、写真のように地面をヘビのごとく這うように生えています。頭の部分をまさにヘビが鎌首を上げたように持ち上げ全身をトゲに覆われた少し不気味なサボテンです。

ちなみにこのサボテンのラテン語の種名「エルカ(eruca)」とは「幼虫」という意味があります(・・どちらにしても不気味!・・・)

しかし、花はこの通りとても美しい♡ 菊を思わせるような細い花弁の白い花を夜に咲かせます。直径は約8cmくらい、高さは約16㎝くらい♪ 花弁はよく見るとわずかにピンクがかっていて、花にはわずかに甘い香りがあります。

写真で見ると「蛇の背に乗った可憐な乙女!」というような不思議な眺めにも見えます(えっ私だけ!・・)

この花は「月下美人(ゲッカビジン)」と同じく夜一晩だけしか咲かず、次の日の日が昇る前には完全にしぼんでしまい、一般のお客様が見ることはほぼありません(・・・残念・・・)

また市場に出回ることが非常に少なく、ましてや花が咲くほどの大きさに育てているところなどほとんどなく、日本でこの花を見ることが出来るのはこの公園くらいのものです(すみません・・・)

せめてその美しい姿を写真で愛で、このようなサボテンもあるものだ♪と思っていただけるとうれしいです。

地面を這って生えるという生き方のため、このサボテンは頭の部分がどんどん成長し、生え始めの元の部分はどんどん枯れていくという不思議な性質を持っています。そのため長い時間をかけてみるとだんだん「前へ、前へ!」と移動しているように見えるため英語ではこのサボテンを「這いまわる悪魔(クリーピングデビル  creepinng devil)と呼ぶそうです。

どのくらい伸びるのかって?・・・

実は以前。実験的に一念でどのくらいこの入鹿(イルカ)が伸びるのか、観察してみたことがあります♪

2022年1月1日にはこれくらいだったのが♪

 

2023年1月3日にはこのくらい伸びている!

    

1年で8.5㎝位伸びていることがわかります♪

成長がよい株は1年で60㎝くらい伸びるとも言われています!

しかし、「入鹿(イルカ)」とはまた変わった名前のサボテンです!

このサボテンの学名(種名)の「エルカ(eruca)」からもじってつけられたともいわれていますが、昭和のサボテンの研究家として有名な「龍胆寺 雄」という方の説明では、この入鹿(イルカ)という名前は昔、大化の改新で中臣鎌足(なかとみのかまたり)や中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)に倒された豪族、「蘇我入鹿(そがのいるか)」が倒れた姿を連想させることから、この名をつけた!という大胆なことを言っておられます。(確かに、海にすむ海豚(イルカ)ではなく、蘇我入鹿の入鹿(イルカ)!なんですよね。)

名前も生態も実に変わったこのサボテン!「入鹿(いるか)」の昼間の姿を見にぜひ、この第5温室(メキシコ館)をご覧になってみてください♪

植物エンターテイメント課 一同

記録:真鍋

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