ANIMALS & CACTUS BLOG
動物 & サボテンブログサボテン 2025.10.02
ひっそりと咲きました♪
花とサボテンを愛する皆さん!
突然ですが申し訳ありません。😭
ついこの間、10月1日の涼しい日、試験的に実施していた夜一晩だけしか花を咲かせない「月下美人(ゲッカビジン Epiphyllum oxypetalum ) の逆転開花が成功し、ささやかながら第5温室(メキシコ館)出口で展示いたしました。



本っ当に申し訳ない! 今回の逆転実験!あまりにも失敗ばかり重ねる月下美人の逆転開花!何か設備に問題があるのでは?と半信半疑で試験的に行った試みで、「よもや! よもや!」成功するとは全く期待していなかったので、まったく報道機関にもお伝えしたいなかった実はひっそりと行ったものだったのです(したがって、これを見ることが出来たのは、その時この公園に来てくれたごく一部のラッキーなお客様のみ!)
それがまさかの見事な逆転開花!これまで見たこともない完全な状態で花を咲かせました。見ることの出来なかった方、本当に申し訳ありませんでした。

月下美人はメキシコの熱帯雨林が故郷の夜咲きのサボテン。その名の通り、夜一晩だけしか花を咲かせず、次の日の朝には花がしぼんでしまう、昼間に開園している植物園では見ることのかなわない可憐な花を咲かせるサボテンです。
ところが、花の咲く数日前に昼間は真っ暗な部屋に置き、夜はその部屋に照明をつけていわゆる夜と昼の状態を逆にして育ててあげれば(これを逆転といいます)本来夜にしか咲かない月下美人が朝から昼間にかけて花を咲かせるようになるのです。(これも夕方にはしぼんでしまいますが)

シャボテン動物公園ではこの花の不思議な性質に迫るため、毎年のようにこの逆転開花の試みを行っているのですが、ここしばらくは失敗続き! もう!理由が何なのかさっぱりわからん(泣)という状態になっていたのです。
この夏は猛暑が続き、暗室(逆転を行う所です)が暑くなりすぎて花芽を持った株が弱ってしまったのか?
それとも花のつぼみがまだ小さすぎるときに暗室に入れてしまったのが原因か(あるいは逆につぼみが成長しすぎたときに逆転をしたためか)?
はたまた、暗くする時間が短すぎたのか?(逆に長すぎたのか?)
いやいや、そもそも暗室自体がボロで、隙間から日の光が暗室に差し込んでいたのか?
考えれば考えるほど、原因となる理由があふれかえり、特定できない有様!「もー!逆転なんてこの公園では不可能!」とさえ思ってしまいました。
ご来園者の方にあまりお見せすることが出来なかったのは心残りですが、今回の成功で少なくともいくつかの原因が特定でき、今後の逆転の試みに大きく貢献できることは確かです(いかん! 思わず顔がほくそ笑んでしまう!・・・)。
月下美人の花言葉は「はかない恋」・・・「逆転開花はこれでもう大丈夫♪」と思っていたら次の年には全くうまくいかなくなる所は、はまさにこの言葉の通りです(「艶やかな美人」なんて花言葉もありますが・・・)
まだまだ分からないことが多く神秘に包まれながらも美しい花を咲かせる「月下美人」!
来年こそは多くのご来園者の方にご紹介できればと考えています。
植物エンターテイメント課 一同
記録:真鍋