ANIMALS & CACTUS BLOG
動物 & サボテンブログサボテン 2025.12.22
第12回 おもしろサボテン品評会! 結果を発表いたします!
「♪パ~ ッパラパッパッパッパッ♪ パ~ ッパラパッパッパッパッ♪ パ~~~♬」
サボテンと多肉植物を愛する皆さん!(とっても緊張しています!)
お待たせいたしました♪ 「第12回 おもしろサボテン品評会」! いよいよその結果を発表いたします!(ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・効果音!)

類まれなる素晴らしい個性を有していながら「寒さに弱い」、「小さすぎる」、「姿が個性的過ぎて一般の展示には向かない」などの理由から、一般展示を行うことがなかなか出来ない本公園のいわゆる「秘蔵のサボテン・多肉植物」達を芸術の秋にちなんでこれを一堂に集め、皆様に公開し、その中でも一番皆様の心をとらえることの出来た「栄えあるサボテン」を赤いシールによる皆様の投票で決めようというこの企画!
おかげ様を持ちまして、ついに12回目を迎えることが出来ました(ああ、感無量・・・皆様ありがとうございます。)
そして本日、このホームページをもってして! 本公園で10月11日から11月24日まで行われた品評会の神聖な(?)その投票結果を発表いたしたいと思います(わ~~~♪)
それではさっそく発表いたしましょう♪(ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・効果音!)
第12回、おもしろサボテン品評会 今年最も皆様の心をとらえることの出来た「栄えあるサボテン」は~~(ドキドキ!・・・)

エントリーナンバー②番、ハオルチア・コンプトニアナ(Haworthia comptoniana、ツルボラン科)2,422票(すげえ!) この植物でした~~! パ~ッパラパッパッパッパ パ~♪
いやあ~♪ 美しい! まさに「栄えあるサボテン(多肉植物だけど・・)」にふさわしい素晴らしい輝きを持ったこの植物が見事、1位となりました!(おめでとう♡)

やっぱりこのガラスのように美しい透明感たっぷりの葉を持つ植物が皆様の心をとらえたようです♪
圧倒的な人気でダントツの得票数!
ハオルチア・コンプトニアナは南アフリカのケープ地方が故郷の多肉植物!原種は自生地でも限られた範囲にしか分布していないレアな多肉植物ですが、この美しい姿が園芸家の心をとらえ、様々な品種が作られています。本種もおそらくそうして園芸家が心を込めて作り上げたハイブリッドの交配種♪

さて、原種のハオルチアですが、自生地のアフリカでは草食動物に食べられないように地面にめり込むように生えてこのように全身を見せることなどほとんどありません。
そこで問題となるのは、植物にとって最も大切な光合成をおこなうための太陽の光をどのようにして取り入れるかという事! いくら日差しの強いアフリカでも地面にめり込んでいたのでは成長に必要な光が手に入りません!

そこで、出番となるのが、「窓」と呼ばれるこのガラスのように透明な葉っぱ!まさに天窓のように太陽の光を取り入れ、地中の奥にまで植物に光合成に必要な光を届けてくれる役目を果たすのです。
「窓」には職人が制作したような様々な模様があり(もちろん、生まれてもって自然に出来た模様です)、この模様によってハオルチア・コンプトニアナは様々な品種に分けられます。

もともと大型のハオルチアの部類に入るのですが、さすがにここまで大きくしかも4つにも分頭しているコンプトニアナはそうそうあるものではなく、本公園でも自慢の逸品となっております♡
ただ、意外に思われるかもしれませんが、極端な暑さや直射日光に弱く、この美しい透明な葉を維持したまま、育てていくのは容易なことではありません(だから、常設展示しにくいのですな・・・)

この宝石のような美しさをいつまでも維持したいと思っております♪
さてそれでは続きまして、第2位の植物は!


エントリーナンバ―⑦番、螺旋恐怖閣(ラセンキョウフカク Eulychnia castanea )1,827票!(これもすごい得票数だ!)
「おお!」 天使も喜びのあまり舞っています! (そうかなあ?・・・)

ムチムチとした緑色の円盤を積み重ねたような姿にピンピンとした刺が隙間から生えています。なんとなくねじり飴を思い出しますな♪
一見すると、サボテンどころか「植物なの?」とさえ思ってしまう一度見たら忘れられないそのビジュアル! 見事、来園者の皆様の心を捕まえました。

螺旋恐怖閣の本来の姿は「恐怖閣(キョウフカク Eulychnia castanea ) 」という上の写真にあるようなどこにでもありそうな普通の柱サボテン! チリ南部のパタゴニア地方に自生しています。

本来まっすぐ伸びるはずの恐怖閣が「石化(せっか)」といって突然変異などにより、成長点が本来ある場所とは違った場所に現れると個体が思わぬ形に成長し、このような面白い形になるのです。
非常に珍妙な姿になるので、これが現れた植物は園芸家の人たちが大切に育てられることが多いです。
この「螺旋恐怖閣」、別名「ユーリキニア・カスタネア・スピラリス」も人気があり、たまにネットなどで販売されてもすぐに売り切れてしまい、手に入れるのはなかなか容易ではありません。でも本当は原種の「恐怖閣」の方がほとんど市場に出回っておらず、手に入れるのは大変なのですけどね♪ (ちょっとこの天使様、じゃまですな・・・)

この螺旋恐怖閣は成長パターンがいろいろあり、円盤状に積み重なったり(マリオのサンボみたいでしょ♪)、らせん状になったり、また波状にボコボコに成長したりすることがあり、また途中でいきなり成長パターンが変わったりすることがあります。
この子も今後どのように成長していくのか楽しみです♪
さてでは続きまして第3位は、

エントリーナンバ―⑨番、朱雲(シュウン Melocactus matanzanus )1,563票
出た! 安心のメロカクタス♪ 今回もやはり強かった! トルコ帽子を思わせるオレンジの鮮やかな頭の部分と可愛らしい濃い緑の球体の愛らしい姿に人気が集まり、堂々の3位です。

「朱雲」という名前よりは、「マタンザナス」の名前で紹介されることの方がなじみのあるこのサボテン!中米キューバのマタンサス州という所が故郷です。
この特徴的な頭の上のオレンジ色したトルコ帽子のようなものは「花座(はなざ セファリウムともいいます)」と呼ばれる部分。メロカクタスの仲間は成長するとこの花座の部分が帽子のように大きく発達することが特徴です!この花座から星のような形をしたピンク色の鮮やかな可愛らしい花が咲きます♡

まるで高山の山頂付近にかかる雲のように、サボテンの頭の上にこの花座がそびえたつためか、日本ではこのメロカクタスの和名には朱雲のように大抵「~雲」と雲の名前が付けられます。(そう聞くと何となくこの花座をいだいたサボテンが荘厳に見えてきますな!)

サボテンとしては非常に寒さに弱いという弱点はありますが、このメロカクタスはその鮮やかなオレンジ色の花座とキュートな小さい姿からメロカクタス好きの人々の間ではかなり人気があります♪
この品評会が終わったらこの子もすぐに暖房ヒーター付きの暖かく明るい場所へ移動です(実はもうそこで育成中です)♪
さて続きまして、それでは第4位の植物は

エントリーナンバ―⑤番、竜神木・綴化・矮性(リュウジンボク・テッカ・ワイセイ Myrtillocactus geometrizans f. crist )1,086票
「グニグニ・グニグニ!」まるで夏の入道雲のように湧き上がるその姿!はたまた無数の塔を従えた空にそびえる黒鉄の城か!
小さいながらそのインパクトのある姿に、誰もが足を止めて見入っていました。「竜神木・綴化・矮性」、見事に4位を獲得です。

じつは本来はこんな姿♪ メキシコの北中部からオアハカ州の広い範囲に自生している「竜神木(リュウジンボク Myrtillocactus geometrizans )という柱サボテンです。大変丈夫で成長が早いことから他のサボテンの接ぎ木の台木として重用されています。花は白っぽい可愛らしい花♪ 春3月頃に咲きます。

この竜神木は先ほどの螺旋恐怖閣とはまた違い、綴化(テッカ)という現象を起こしているサボテン!
突然変異などにより通常まっすぐ柱状に伸びる成長点が、線状に変化したことにより、植物が帯状に成長していき、このような姿となります。石化と同様、面白い形に育つことから園芸家はこの綴化した植物を大切に育てます。
余談ですが、まとめるとこんな感じ!
・石化(セッカ)・・・植物の生長点が通常ではできない所にも異常に発生し、通常の形から逸脱した成長をする現象。 学名では「モンストローサ(monstrous )」といいます。
・綴化(テッカ)・・・植物の生長点が1点でなく、帯状に成長する現象。 学名では「クリスタータ(cristata )といいます。

この竜神木はさらに「矮性(わいせい)」といって、通常の竜神木より小さくなる性質を持っています。
綴化したサボテンは、サボテンそれぞれの個体で成長の仕方が異なり、同じ形は二つと存在しません。つまりこの「竜神木・綴化・矮性」は他では存在しない1品物のサボテンとなるのです!
ちなみにこのサボテンの名前でもある「竜神」は竜の神様。雨、水を司るといわれ、海で暮らす漁師の人々は海神として信仰することが多いと言われています。なんだかますますこのサボテンが神秘的な偉大な存在に思われてくるではありませんか。
さ~てそれでは、第5位の植物は!

エントリーナンバ―⑥番、阿修羅(アシュラ Agave titanota ,Ashura, 、キジカクシ科)617票

この植物も頑張りました♪ アガベの中でも絶大な人気を誇る「アガベ・チタノタ(Agave titanota ) 」の一種で青白い葉と葉の両サイドから火焔光を思わせるような鋭い刺が周りを縁取っています。

「アガベ・チタノタ」は原種はメキシコのオアハカ州に自生しているアガベですが、この「阿修羅」は、インドネシアで誕生した選抜品種。「アガベ・チタノタ」は園芸家の間でも人気があり、より美しいトゲを求めて様々な園芸品種が作り出されています♪

阿修羅は八部衆(または二十八部衆)に属する仏教の守護神。古代インドでは生命生気の善神であり、サンスクリット語の「asu(息、命)」に由来するといわれています。興福寺の少年のような姿をした優しいイメージが思い浮かびますが、お釈迦様に諭される前は帝釈天と長きに渡り戦った神として有名でその勇猛果敢さからか「阿修羅のごとく」、「修羅場」などのように戦うイメージとしてよく名前が登場します。アニメやマンガでもよく戦う者、あるいは武器として登場します(ア〇ュラ男爵とか・・・いやっ!・・たとえが悪い・・・)
その名に恥じぬ鋭いこの厳ついトゲがこの植物の特徴!「阿修羅」は葉の第2刺が大きく、下向きの「逆刺」になる特徴があると言われています。このトゲは水に濡れると黒くなるとのことです。

ちなみに今回出展したこの阿修羅! 2024年にうちで開催された「アガベ展」の時にこの公園の仲間入りをした株で、その頃より、葉が5~6枚新たに展開して格好よく仕上がっています。(お前、・・成長したんだなあ♪)
わかる人にはその良さがわかるのか、今回見事に5位を獲得です♪
さ~てここからは例によって一気にご紹介♪

第6位 エントリーナンバ―⑩番 「烏羽玉(ウバダマ Lophophora williamsii )」 560票

第7位 エントリーナンバ―③番 「パキポデューム( Pachypodium sp 、キョウチクトウ科 )」 549票

第8位 エントリーナンバ―⑧番 「精巧丸(セイコウマル Pelechyphora aselliformis )」 540票

第9位 エントリーナンバ―④番 「セロペギア・シミシオドラ(Ceropegia cimiciodora 、キョウチクトウ(ガガイモ)科」 439票

第10位 エントリーナンバ―①番 「(お願い☆)武倫柱(おねがい☆ブリンチュウ Pachycereus pringlei )」 435票
以上の結果となりました~♪
10位の(お願い☆)武倫柱でさえ、何と!435票! 皆様の熱い応援を受けてこの子たちも本当に幸せです♪
思えば毎日毎日、「今日はこれだけ投票してくださった♪ 明日はどうかなあ・・・?」などと不安に駆られながら毎日集計していた日々が懐かしく思い出されます。
全てを終えてみれば、何と今回の「おもしろサボテン品評会」の総投票者数は合計:10,038票!!(1万票! 超えた~~~♪)
これだけ多くの人たちがこの品評会に参加してくださったのかと思うと、嬉しくてなりません♪
投票に参加してくださった人々だけではなく、見ていただいたご来園者の皆様、ホームページを見てくださったお客様♪、YouTubeをご覧になられた皆様♪ すべての人たちに支えられてこの品評会は完成いたしました。
「皆様、本当にありがとうございます」
この品評会を通して、面白いサボテンや多肉植物達、そしてそれらを含むこの世界の植物や生命を包み込む自然のことを「うん!こいつはおもしろい!」と少しだけでも好きになってくだされば、この品評会は大成功したと思っています。
それでは、また伊豆シャボテン動物公園でお会いいたしまししょう!(ホームページとYouTubeでも♪)
皆様♪ 少し早いけれど メリークリスマス🎄♪
植物エンターテイメント課一同より、心からの感謝を込めて
記録:真鍋





