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動物 & サボテンブログ

サボテン 2024.11.12

第11回おもしろサボテン品評会! 絶賛開催中!・その3

サボテンと多肉植物を愛する皆さん!   すっかり寒くなりましたな。晩秋の雰囲気が漂ってまいりました我が伊豆シャボテン動物公園では、寒さにも負けず、「おもしろサボテン品評会の」サボテン・多肉植物たちが元気よく熾烈な(?)投票合戦を繰り広げております♪

今回も元気よく、エントリーされた珍奇な植物たちをご紹介いたしましょう!

先ずはエントリーNo.⑧番「亜阿相界(アアソウカイ Pachypodium geayi) 、キョウチクトウ科」

今年も出ました! なんとも個性的な名前のいぶし銀の魅力を持つ珍奇植物!

「亜阿相界(アアソウカイ)」はマダガスカル南部原産のパキポデューム属の多肉植物!

マダガスカルの固有種でトゥリアラ州南部および南西部の標高200~300m地帯に生育しています。

その一度聞いたら忘れられない名前は、この「亜阿相界」がアジア(亜細亜)とアフリカ(阿弗利加)の境界であるマダガスカル島に生える植物であるから、二つの世界(亜細亜と阿弗利加)を相分ける植物にふさわしい名前を付けた!ということでこの名前がついたとのことです。

ちなみに命名者は、(ちょっと個性的な・・)サボテン研究家として知られた「龍胆寺雄氏」!

メタリックグレイの幹には鋭いトゲが生えており、見る者を圧倒させます!でもこのトゲは「亜阿相界」が成長して大きくなると目立たなくなり、古い株は同じ種か?と思うほどパット見た目ではつるっとした幹になります。

ただしその大きさになるまではうんと長い時間がかかり、トゲのない「亜阿相界」など自生地のマダガスカル島にでも行かなければそうそう見られるものではありません!

葉っぱも特徴的!頭の部分に細長い葉っぱを放射状に生やします。ヤシの木を思わせるその外観的な特徴から「亜阿相界」は「マダガスカルパーム」の別名を持っています。

葉の真ん中に美しいピンクに中筋が入っているのがこの植物の特徴です♪  この葉っぱは乾季に(日本では冬に)落葉して成長期にまた新しい葉が生えてきます。

花は夏季に白い可憐な花が咲きます。ただしこの「亜阿相界」は数メートルまで成長しないと花は咲かせません。国内で花を咲かせるには10年以上、栽培する必要があるといわれています。今回にこの子はまだ30㎝程の高さ!まだまだ子供なのです!ちなみに大人になると高さは6~8mほどになります(すげっ!)

とはいえこの「亜阿相界」、寒さには結構弱くて冬は暖房のある温室で育てる必要があります。日本で開花するほどの高さに持ってくるのは容易なことではない!この子もこれからこの公園でいくつもの冬の試練を経験させて大きくしていかなくてはなりません。

将来の楽しみな子です♪

さて次にご紹介いたします植物は、

エントリーNo.⑨番「蓬莱島(ホウライトウ Euphorbia desidua) 、トウダイグサ科」

「蓬莱島」!漢字だけで読めた人はいますかな?   

読み方は「ホウライトウ(ホウライジマとも読みます)」!  今回の超目玉! 流通が少なく、なかなか出会おうとして出会えるものではない名前も姿も個性的な珍植物!  本公園、初公開です♪

アフリカ大陸南西部の国々であるアンゴラ、ジンバブエ、ザンビア、マラウィが原産で、標高1,000m前後の乾燥した岩場に自生しています。ジンバブエでは特別に保護されている希少種です。

とにかく特徴的なその形!真ん中の島のような丸い薄茶色の円盤状の塊根の頭のてっぺんからトゲの生えた緑色の多肉質の枝が放射状にまるで周辺をすべて覆うように生えています!

この円盤状の塊根の中に水や養分を蓄え、乾燥した大地でも生きていくことが出来るようになっています。このような植物を「コーデックス」と呼びます。

この塊根は、本来地面の中に埋まっていて、成長は非常に遅く成熟した株でも15㎝程の大きさにしか育ちません。本種はこの種類としてはかなり大型の逸品です!

緑色の多肉質の枝の部分は落葉性で、気温が下がってくると枯れ落ち、この植物は真ん中の丸い塊根部分のみとなります。この植物の学名、「desidua」とはラテン語の「de(下に)」+「cadere(落ちる)」=「deciduous」の造語で「抜け落ちる=落葉性の」という意味があります。長い冬が終わり再び気温が上がってくると休眠から覚め、また真ん中からヤマタノオロチのごとき緑の枝を四方に伸ばすというわけです。

ユーフォルビアの仲間というだけあって、この植物は有毒で、樹液には注意が必要です(食べちゃダメですよ!)

しかし「蓬莱島(ホウライトウ)」とはまたなんと変わった名前なのでしょう!

「蓬莱島」とは古代中国の仙人が住むという伝説の島(山)のことです。その伝説には次のようなことが伝えられています。

渤海湾(中国にある遼東半島と山東半島の間にある内海状の海 近くに北京があります♪)の東、はるか彼方に深い深い谷があったそうな!この谷は「帰虚」といい、この世のすべての川と天の川の水はすべてこの谷に注いだということです。

「帰虚」の中には山が5つありました。その山の上には黄金で作った宮殿があり、そこには神仙が住んでいました。とても美しい所で、ここに生える樹木に実がなるとその実は不老不死の実で、食べたものは永遠に若く、死ぬことはなかったそうな!その山の一つが「蓬莱(ホウライ)」というわけです。

神仙たちはここで幸せに暮らし、日がな一日そこから雲に乗り、山々を往来していたそうです(仙人だなあ!)。

ところがこの山々は海の中にあって根っこがなかったので、ひとたび海が荒れ狂うとゆらゆらと漂流してしまうんだそうな(えっ!)

そうなると仙人たちが昼間、雲に乗ってどこかに出かけ、戻ってきても「ありゃあ!・・住処がない!」てなことに!  これに困った仙人たちは天帝に訴えることにしたのでした(・・・何というか・・・まぬけな話だなあ!・・・)。

天帝様がおっしゃるには山が移動するのは大した問題ではないが、波風が大きすぎて北極まで流されると大海原に吸い込まれてしまう!そうなるとおまえたちの住む場所がなくなってしまい、これは確かに困った問題だ!

そこで天帝は霊亀を司る海神に頼み、すぐに大亀15匹を集めてもらって3班に分け、3匹の亀がそれぞれ山1つを受け持って交代で山を支えることにしたのです。

ところが「龍伯国」という国に住んでいる巨人たちが亀の甲羅で占いをするために5つの山のうち2つの山の亀6匹を「おっ!こりゃいい♪」と自分の国に連れて行ってしまったのです!(・・ひどい巨人もいたもんだなあ!・・・)

おかげで5つある山のうち、2つは北極まで流れて大海に沈み、3つの山「蓬莱」、「方丈」、「瀛洲」が残り、伝説の仙境として大勢の人々をひきつけるようになったとのことです。

そのうちの一つが「蓬莱」!つまり、「蓬莱島」とは今も巨大な亀の上に乗って「ひょっこりひょうたん島」のように彷徨っているということになるのです。(すげっ!)

確かに不思議な植物が生えた島のようにみえますけどね~・・・

ちなみに「不老不死の実」の植物が生えるということから、古代では「始皇帝」がこの伝説の島を探して大船団を派遣したとのことです(誰も帰ってこなかったそうですけどね・・・)

神秘的な名前とそれに負けない不思議な形をしたこの「蓬莱島」!本品評会の中でも人気者です♪

さて、本「おもしろサボテン品評会」!最後に紹介いたします植物は、

エントリーNo.⑩番「リトープス( LIthopus ) 、ハマミズナ科」

でました!本品評会名物(?) 「チームリトープス」!  通称「リト丼」!!

今回は、色を列で統一してまた一段とインパクトアップ!

さ~て左から「紅福来玉?( LIthopus julii ssp.fulleri var.fulleri)?」、「緑福来玉?( LIthopus julii ssp.fulleri var.fulleri `Fullergreen,)?」、「日輪玉?(LIthopus aucampiae)?」、「レティキュラータ?(LIthopus julii ssp v.reticulata)?」、んで、また「紅福来玉?( LIthopus julii ssp.fulleri var.fulleri)?」(一番左と同じ!)

すみません! 今回はどれもはっきりとした種名がわからなくて、すべて私が判断したこれに似ているという種名!  従ってすべて「?」マーク付き!  (信じるか信じないかはあなた次第です。・・・)

リトープスはハマミズナ科(メセン科)に属する多肉植物の総称である通称「女仙(メセン)」と呼ばれる植物の代表的な存在。

南アフリカ・ナミビアが代表的な生息地で、年間降水量が250㎜以下の乾燥したところに生えています。

自生地では地面にめり込むように生えていて見つけるのは至難の業!  一番上の綺麗な模様のついている平たい部分だけ地表に出してこの模様の部分から光を取り入れ光合成をします。

この模様には光を通すレンズのような透き通った部分があります。この透き通った模様のある平たい部分は文字通り「窓」!と呼ばれています。

リトープスが生えるのは砂礫が広がる岩砂漠!メノウ、ジャスパーなど石英類の小石の中に潜んでいるものもあります。

このリトープスは自生地の周りの石に合わせるようかのようにその場所の石の色に似ており、一見すると草食動物などに見つかりにくい姿となっています。

この特徴からリトープスは石に「擬態」していると言われることもあります。いろいろな模様のリトープスがあるのもこのためで、その様々な美しい模様からこの植物は「生きている宝石」と呼ばれています。

リトープス(Lithops)という言葉はギリシャ語の「Lithos(石)+ops(顔)」からきていて「石のような見かけ」という意味があります。

花もきれいですよ~♪(上の写真はまた別のリトープス♪)  秋、涼しくなってくると葉と葉の真ん中から菊を思わせるような美しい花が咲きます(花の色も白、黄色、紫と様々!)。ちなみにリトープスの花言葉は「こよなき魅力」♪

こんないいことづくめのリトープスですが、暑さに弱いのが玉に傷!リトープスは「冬型種」と言って普通のサボテンや多肉植物と違って涼しい秋から冬~春にかけての季節が成長期!(日本の冬は少し寒すぎますが・・)暑い夏は水やりを控えて涼しい半日陰のところで育ててあげないと弱って枯れてしまいます。

また小さい割には一つ一つの単価が決して安くないのもポイント!(まあ、またそこが宝石のような魅力なのですが・・)このリト丼は業者の方のご厚意で毎年、出展していただいているものなのですが、これほどの数のリトープスを一度にまとめて植えるのは容易なことではありません!

そのたぐいまれな美しさも手伝って、本品評会では大人気の植物です♪

このホームページを見ている人にはおなじみかもしれませんが、このリトープスは「脱皮」をする植物としても知られています!

「脱皮」といっても、春3~4月頃、外側の古い葉がしおれて、真ん中から新しい葉が形成され、まるで「脱皮」をするように展開するというものです。

新しい葉に水分や養分を渡して、古い葉はしおれて枯れてゆきます。雨のほとんど降らない乾燥した地で、自らの水分を少しでも失わないように適応した結果、このような性質を獲得していったものかもしれません。

美しいだけでなく、神秘的な生命力を秘めた植物でもあります♪

さ~て!そんなわけで出そろった姿も生態も面妖な面白くも美しい今年の「おもしろサボテン品評会」の植物たち!

今年はどの植物が皆様の心をもっともとらえた「栄えある植物」に選ばれるのか?

いよいよ盛り上がっていく「おもしろサボテン品評会」にご来援の際はぜひ皆様の清き1票をお願いいたします♪

結果は12月(クリスマスの頃ですよ~)ホームページにて発表いたします!

植物エンターテイメント課 一同

記録:真鍋

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