ANIMALS & CACTUS BLOG
動物 & サボテンブログサボテン 2022.09.25
イルカ! 咲いちった♪
サボテンを愛する皆さん! 今回は、皆様にお見せすることが出来なかったけど、ちょっと面白い花が咲いていたのでご報告を! 台風14号がもろに近づいていた先9月18日の夜、20:00頃から21:00頃にかけて、そんなものどこ吹く風と、本公園第5温室(メキシコ館)では大変珍しいサボテン、「入鹿(イルカ Macaerocereus eruca ※現在ではStenocereus eruca)の花が一輪、ひっそりと咲いておりました♪ このサボテン「入鹿(イルカ)」はメキシコのバハ・カリフォルニア、マグダレナ島 という所が故郷。自生地では普通のサボテンのように柱状に立ったりせず、地面を蛇のごとく這うように生えています。成長期には頭の部分を鎌首のように持ち上げ、その姿はまさしく蛇!トゲだらけでちょっと不気味な姿をしたサボテンです。 しかし、花はこの通り大変に美しい! 直径8㎝位の(暗いのでメジャーを合わせるのが難しい!・・・)キクを思わせるような白い花を夜に咲かせます。その透き通るような細めの花弁はよく見るとわずかにピンクがかっています。近づいてみるとわずかではありますが甘い香りがします♡ 花は月下美人と同じく夜一晩だけしか持たず、次の日の日が昇る前には完全にしぼんでしまい、一般のお客様がご覧になることはまず叶いません(すいません) サボテン自体が市場に流通することが少なく、また開花するまでの大きさに育てている人などさらにいないため、日本でこの花を見ることが出来るのはこの公園くらいのものです。 しかし、入鹿(イルカ)とはまた変わった名前のサボテンです。このサボテンの学名(種名)の「エルカ(eruca)」からもじってつけられた名前ではないかと言われています。ちなみに「エルカ(eruca)」とは「幼虫」という意味があり、這うように生えているこのサボテンの姿をイメージしてつけられた名前のようです (うげげっ!・・・) しかし、昭和のサボテンの研究家として有名な「龍胆寺 雄」という方の説明では、この入鹿(イルカ)という名前は昔、大化の改新で中臣鎌足(なかとみのかまたり)らに倒された豪族、「蘇我入鹿(そがのいるか)」が倒れた姿を連想させることから、この名をつけた!という大胆なことを言っています。(確かに、海にすむ海豚(イルカ)ではなく、蘇我入鹿の入鹿(イルカ)!なんですよね~) ちなみにこのサボテンの入鹿(イルカ)、変わった性質を持っていて、前へ前へと伸びていって、生えた元の部分はどんどん枯れていくという生え方をしています(這うように生えているので、根っこは新しく成長した部分の、地面に接している所から生えてくるわけです。) そのため長い時間をかけてみると、この入鹿(イルカ)!元の場所から前へ前へ移動しているように見えるため、自生地では「這いまわる悪魔(クリーピングデビル creepinng devil)とも言われています。 不気味な側面と美しい花を咲かせる意外な側面を持つこの不思議なサボテン、ぜひご来園になって見に来てみてください。 植物エンターテイメント課 一同 記録:真鍋