ANIMALS & CACTUS BLOG
動物 & サボテンブログサボテン 2021.10.21
おもしろサボテン品評会! 絶賛開催中です!!
サボテンと多肉植物を愛する皆さん ! 今年も伊豆シャボテン動物公園、秋の名物(かな?) 「おもしろサボテン品評会」を第5温室(メキシコ館)出口付近にて開催しておりますよ~~~♪ 普段、小さすぎたり、寒さに弱くて常設できなかったり、形が個性的過ぎて一般の展示になかなか出すことの出来ない本公園のいわゆる秘蔵のサボテン・多肉植物を一斉に展示し、その中で、お客様の心を最もとらえることの出来た一番人気の「栄えあるサボテン」をお客様のご投票で決めよう!というこの企画、早いもので今年で8回目を迎えることとなりました♪(あと2回で10周年♡) 今年も、コロナ過のご時世を踏まえ、赤いシールの貼り付けによる投票で順位を競っております。 という訳で、今年も皆様にも、出展植物の魅力などささやかながらご紹介したいと思います♪ 先ずはエントリーナンバー①番 「竜翔雲(リュウショウウン Melocactus sp)」 赤いトルコ帽子のようなものをかぶった、何とも個性的な一度見たら忘れられない南米のサボテン! この赤い帽子の正体は「花座(ハナザ)」別名「セファリウム」と呼ばれる器官。このサボテンの仲間「メロカクタス属」のサボテンは小さいうちはただの丸いサボテンですが、大人になるとこの花座が発達して頭の上にのるようになり、ここから花が咲きます。 この竜翔雲の場合もやはり、春になるとこの帽子のような花座の部分から小さな星のような鮮やかな赤い花が咲きます。 花が咲き終わると、しばらくたって赤いこれまた鮮やかルビーのような小さな実が出来ましてその中に種が入っています。 上の写真をよく見てください!赤い帽子の中に小さなゴマのような黒い種があるのがわかりますでしょうか?(わかりにくいかな~)これは実がはじけて種だけが花座に残ったものです。 このメロカクタス属のサボテンは、このような帽子のような花座を頭の上に発達させるため、それを天空に君臨する雲に例えて大抵「~雲」と雲の名前が下に付くようになっています。この竜翔雲も天に飛翔する竜の形をした雲になぞらえて説明のプレートを作ってみました! (えっ!雲に見えない・・・・・・) この竜翔雲、ふがいない話ですが今だにはっきりとした学名がわからず現在調査中! どうも「華雲(カウン Melocactus peruvianus)」というメロカクタスによく似ているようなのですが・・・ もし華雲であればこのサボテンの故郷はペルーということになります。 故郷が南米のしかも暖かいところに生える(波のかぶるような海岸近くに生えるそうです)というだけあって、このサボテンは寒さが苦手!昔は日本にもたくさん入ってきたのですが、冬の寒さに耐えきれず、今ではこれほど立派な花座を持ったメロカクタスはなかなか手に入りません。 寒さに弱いのが玉にきずですが、サボテン好きなら一つは保有しておきたい愛すべきサボテンです。 さて次は、エントリーナンバー②番「金の生る木(カネノナルキ=花月〈カゲツ〉 Crassula ovata 、ベンケイソウ科) う~ん! 日の光を受けてまさに名前の通り、植物が金キラ金!に輝いております。 んっ!この金の生る木、何かくっついているような・・・? そ~です!この金の生る木には、本当にお金(古銭)がくっついているのです! この金の生る木、別名花月(カゲツ)という植物は、丸い膨らんだ葉っぱをコインに見立てて、英語でも「マネーツリー(money tree)」と呼ばれている幸運を呼びそうな植物です。 日本に渡来したのは昭和初期、といわれていますがこの時、日本の栽培業者がこの植物を縁起物として売り出すために5円玉の穴をこの植物の頂芽に通して固定し、若枝が5円玉の穴を通ったまま成長するようにして、あたかもお金が実っているように育て上げ、縁起の良い植物として仕立てたといわれています。 硬貨の穴に植物を通した後、お金が落ちないようにするには、長い目でゆっくり育ててあげなければならず、制作者の苦労がしのばれます。ちなみにお金を植物にくっつけてもその後の植物の生長には全く問題はありません。 この金の生る木こと花月は、育てやすい頑丈な植物で、昔はどこの家庭でも、盆栽として一鉢はこの植物が置いてあったものです(今でもご家庭で育てている所があると思います。) ちなみに無霜地帯の露地で栽培すると、3メートル以上の大きさになります。 伊豆シャボテン動物公園でも、第2温室(アフリカ館)にとても大きな株がありますよ♪ 大きく成長した金の生る木は、冬頃白色から淡桃色の小さいきれいな花をたくさん咲かせます。(お金はくっついていませんが・・・) 縁起のよさが幸いしてか、現在この金の生る木、なかなかの投票数となっております♡ さて、続きましてはエントリーナンバー③番「長刺白竜丸 綴化(チョウシハクリュウマル テッカ Mammillaria compressa v. longiseta f. crist) 本公園、初公開!どうよ!このクネクネのくねりっぷり!これが植物?という動物を思わせるような不思議な形をしています。 この長刺白竜丸綴化(長い!・・・)本来は、白竜丸(ハクリュウマル Mammillaria compressa)というメキシコが故郷の丸いサボテンです。花の色は赤色で、小さいうちは丸くてかわいいサボテンですが、うんと成長して子ふきすると、直径50㎝を超えようかという大群生になります。 でも、本植物はこの白竜丸が突然変異を起こし、本来頂点に一つしかない生長点が縦に並び、植物が帯状に成長するようになったものなのです。(このような状態を植物の綴化(テッカ)といいます。) 上の写真はこの長刺白竜丸 綴化の根元の部分。トゲも長いでしょう!「長刺(チョウシ)」の名前の通りトゲも通常の白竜丸より長くなっています。 これほど大きな白竜丸綴化は、そうあるものではなく、また突然変異でこのような形になったものですから同じものはこの世に二つとないでしょう。 じつはこの白竜丸綴化、本公園の「伊豆シャボテン本舗」でネット販売されておりまして、公園で大切に育ててきたサボテンとしてその魅力を知っていただきたいと一般の方が購入することが出来るようになっています。 ふっふっふっ・・・本公園で秘蔵としていた非常に貴重なサボテンであることは確かに保証いたします。育ててみますか? ちなみに「白竜」とは「パイロン」とも呼ばれ、古代中国で天上界の皇帝である天帝に仕えているとされた竜の一種。竜はみんな基本的には空を飛べますがこの白竜は特に空を飛ぶ速度が速く、これに乗っていれば他の竜に追いつかれないといわれています。 よく見るとこのサボテン、曲がりくねりながら、空を泳ぐ正に白竜のように見えますね。(イモムシのようにも見えますが・・・) 本日の紹介はここまで! どんどん盛り上がっていく(はずだ・・・)のこのおもしろサボテン品評会!ご来園の際はぜひ、不思議で魅力的な植物たちに会いに来てください(投票もよろしく♪) 植物エンターテイメント課 一同 記録:真鍋