ANIMALS & CACTUS BLOG
動物 & サボテンブログ2025.11.09
いよいよ大詰めだ! おもしろサボテン品評会!開催中です♪

サボテンと多肉植物を愛する皆さん(バーン!)
私、高原竜も注目している「第12回 おもしろサボテン品評会」の「栄えあるサボテン!」をめぐる熱き戦いもいよいよ、佳境を迎えています!
本日も私と一緒に、エントリーされた個性あふれる植物たちの紹介を観ていこうではありませんか(はっはっはっ♪・・・(笑))
ということで高原竜も熱い視線を注いでいる「おもしろサボテン品評会」の植物たちをご紹介しましょう!
まずは、エントリーNo.⑨番「朱雲(シュウン Melocactus matanzanus ) 」

オレンジのトルコ帽子がなんとも可愛らしい愛嬌たっぷりの球サボテン!
濃い緑色の本体の部分とのコントラストがなんとも映えます♪形の整った長めのトゲもアクセサリーのように縦に綺麗に並んでいます。なかなかの美球♡

メロカクタス「朱雲(シュウン)」はキューバが故郷。 どちらかというと「朱雲」という名前より「マタンザナス」というこの植物の学名(種名)で呼ばれることの方が多いサボテンです。
ちなみに「マタンザナス」という名前はこのサボテンがキューバのマタンサス州に自生することから付けられています。

この頭のオレンジのトルコ帽子みたいな部分は「花座(はなざ セファリウムともいいます)」と呼ばれる部分。
メロカクタスの仲間はここから花を咲かせます♡ 「花座」の役割はよくわかっていませんが、おそらく花を保護する役目があるのではないかと考えられんます。

メロカクタスと呼ばれるこのサボテンたちの仲間は、サボテンの中でもこの花座が特に目立って発達するのが特徴! 頭の上に雲を抱いた山のように見えることから、メロカクタスの和名(日本名)には大抵、「~雲」という雲の付いた名前が付けられます。

「マタンザナス」もとい「朱雲」は名前の通り、夕焼けを思わせるような鮮やかなオレンジ色の花座が最大の特徴!メロカクタスの仲間としては小型でサボテン本体の緑の部分の直径が8cmまで成長するとこのトルコ帽子のような花座が形成されます。
花座が出来ると、本体の生長が止まり、花座のみ大きくなるのがこのメロカクタスの特徴!もともと小さな「朱雲」はそのため上からみると、本体が隠れてしまいオレンジの帽子だけの可愛らしい姿となります♪

小さな球体に驚くほど、濃いオレンジ色の花座をつけるこの「朱雲」はメロカクタスの中でも人気が高く、サボテンを愛する皆さんが一度は欲しがるサボテンとなっています。この「おもしろサボテン品評会」でもなかなかの高人気♪
ただこの「朱雲」は自生地ではその数が枯渇しつつあり、絶滅危惧種となっています。

花や実もおもしろいですよ~♪ 夏頃にこのオレンジの花座の上に、ピンク色の可愛らしい花を咲かせます。
そして花が終わったその後! ある日突然思い出したように、花にも負けない美しいピンク色をした小さなニンジンのような形をした艶やかな実をつけます。(見せてあげたいなあ・・・)
一説にはそのピンクの実は、そこに住んでいるトカゲに食べられ、そのトカゲがこのサボテンの種を散布するのに一役買うと言われています!(つまりトカゲがその実を食べ、フンとして体の外に出たときにフンの中の種が発芽するというわけですな)

メロカクタスは比較的、波のかぶるような海岸沿いに生えることが多く(そのため寒さにとても弱いのです!)、そのことも起因して、コロンブスがアメリカ大陸へ、第2次探検を行った頃、ヨーロッパに最初に持ち帰られたサボテンの一種といわれています。
そりゃ!こんな植物が生えてたら、だれでもお持ち帰りしたくなりますよね♪
さてそれではいよいよ最後にご紹介いたします植物は、
エントリーNo.⑩番「烏羽玉(ウバダマ Lophophora williamsii ) 」

ど~よ♪ このポコポコと飛び出したお饅頭! 異世界の謎の生命体!といっても信じられそうです。
本品評会最後にエントリーされた植物のトリを飾るのにふさわしい珍品ぶりです!

烏羽玉はアメリカ合衆国南西部からメキシコ中部に自生するサボテン。ふつうこんな風にサボテン本体を露出することはなく自生地では地面にめり込むようにして生えています。
成長は遅く、これほど仔を吹いた大株はなかなか見られるものではありません。
サボテン特有の鋭いトゲはみられず、一見柔らかそうな緑色の体は、じつは本当に柔らかく、触るとプニプニしています♪(だからと言って触っちゃあ、いけませんよ! 本体が弱ってしまします)

このサボテン、じつは自生地では「ペヨーテ」と呼ばれていて、どちらかというとそっちの名前の方が有名です。
このサボテンの表面に白い毛のようなものが生えているのがわかりますか?(じつはこれがこのサボテンのトゲといってもよい部分! 刺座(しざ)です)
「ペヨーテ」とはアステカで使われていたナワトル語で「青虫」という意味!このサボテンの緑の体に毛虫のようなこの白い毛が生えていることからつけられています(うげげっ・・・)

「ペヨーテ」こと「ウバダマ」はこのトゲのない柔らかい体で、動物などに食べられないためか、体の中に幻覚物質を含んでいて、このサボテンを食べると5色の鮮やかな幻覚を見るといわれています。
とはいうものの、日本で育てられた「烏羽玉」はその幻覚物質がとても薄く(あるいは含まれておらず)、食べても幻覚はみないと言われています(だから食べちゃダメですよ! 食べちゃ!)

アメリカやメキシコのネイティブ アメリカン(インディアン)達は古くから「烏羽玉」こと「ペヨーテ」を「ペヨーテ信仰」として神聖な植物として大切にしてきました。
決していかがわしいことに使うのではなく、神とつながるための手段として、苦しい巡礼を経て、この「ペヨーテ」も利用してきたと言われています。
メキシコの「ウィチョール族」もまた伝統的な宗教儀式の一部として使用しています。
ちなみに彼らは、この「ペヨーテ」を取るときは、根こそぎとるのではなくこのサボテンが再び育つように上部のみ切り取るそうです。
サボテンを半分に切っても、切り方によっては「胴切り」のように下の部分のサボテンを生かしたまま切ることが出来るのはご承知の通りですが、切りすぎたり、切る場所を間違えると枯れてしまうこともあり、専門的な知識が必要です。
ネイティブアメリカンの人たちに大切にされてきた神秘の植物「烏羽玉」!そのサボテンの生える荒野の自然に思いをはせながらこの植物を見るとまた格別の気分です。

さ~て、いよいよエントリーされた①から⑩までの植物たちがすべて出そろいました!(他のホームページもぜひ、見てくださいね♪)
この中から「栄えあるサボテン」!の座を獲得するのは果たしてどの植物か(ドキドキ・・・)?
私も大変、楽しみです♪
結果は、クリスマスの頃、このホームページにて発表したいと思います。(12/22~24の頃くらいかな♪)
ぜひ、御来園の際はご投票! お願いいたします。
(結果のホームページも見てくださいね♪)
植物エンターテイメント課 一同
記録:真鍋




